第2四半期のベンチャーキャピタル投資データが発表され、有望なニュースがいくつか見られる。CB Insightsは前四半期を振り返る「ベンチャー投資動向レポート」を公開した。レポートのハイライトは言うまでもなくAIであり、投資家の主要関心領域として引き続き支配的な地位を維持している。 CB Insightsのデータによると、全VC投資額の28%がAIスタートアップに投じられ、四半期ベースで過去最高のシェアを記録した。第2四半期にはAIスタートアップに183億ドルが流入し、前四半期比で32%という驚異的な伸びを示した。これは主に、10億ドルを超える複数の大型案件が牽引した結果である。
データによると、世界のベンチャー資金調達は四半期連続で増加し、前期比8%の成長を記録した。第2四半期のVC投資額は647億ドルに達した。しかし、取引件数は依然として世界的に減少傾向にあり、2022年第1四半期のピーク時の半分以下となっている。
取引件数は減少したものの、取引規模は17%増加した。平均取引規模は1,440万ドルで、2023年の平均から17%の上昇となった。CB Insightsは、現在の慎重な環境下においても、成立している取引は「投資家が選りすぐりのスタートアップにより多くの資金を投入したことで規模が急拡大している」と指摘している。
退出活動に関しては、米国が世界の退出の39%を占め、欧州と同率となった。これにはM&AとIPOが含まれ、四半期比で4ポイント増加した。
アジアにおけるスタートアップへの投資額は四半期比で減少し、四半期ベースで100億ドルを下回ったのは10年以上ぶりのことである。最大の減少幅を示したのは中国で、投資額は四半期比で半減以上となった。一方、インド、シンガポール、日本ではいずれも投資額が増加した。
ジュニパー・スクエアはまた、ピッチブック-NVCAベンチャーモニター第2四半期速報に関する分析を発表し、時期尚早ではあるものの、データが待望の回復の兆しを示唆していると指摘した。同社は第2四半期に155のVCファンドが資金調達を成功裏に完了したことを挙げ、この数字が2022年第4四半期以来初めて150を超えたと強調している。
ただし、ジュニパーの分析が指摘するように、過去6四半期において上昇傾向を示した四半期は、いずれも下降する四半期が続いている点には注意が必要だ。したがって、真の回復軌道に乗っているかどうかを判断するには、第3四半期のデータを確認することが重要である。とはいえ、第3四半期以降も継続することが期待される、かなり多くの好材料がここには存在する。