フォーリー・アンド・ラーダー法律事務所のグレゴリー・フシシアンパートナーは、関税が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の存続可能性に与える影響を ウォール・ストリート・ジャーナル紙、 IndustryWeek、 オートウィーク, ヤフー!オートス、および MSN。
トランプ政権の通商政策が具体化する中、フォーリー法律事務所の国際貿易・国家安全保障業務共同責任者であるフシシアン氏は、メキシコの輸出の80%以上が米国に依存している現状を指摘し、同国には短期的・中期的には代替貿易相手国がほとんど存在しないと述べた。
「メキシコがEUか中国といった他の主要貿易相手国に切り替えるわけにはいかない」と同氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙に語った。「メキシコは長年EUとの関係強化を図ってきたが、わずかな改善しか得られていない」と説明した。
USMCAは「特にメキシコの自動車産業にとって非常に現実的な成功事例であり、彼らはそれを簡単には手放さないだろう」とフシシアンは付け加えた。
関税はUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に抵触するが、フシシアン氏はIndustryWeek誌で、 同協定には紛争解決メカニズムが含まれているものの、手続きは遅く、「特に上訴の可能性を考慮すると」と 述べた。
「仮に米国に対して不利な判決や控訴審判決が下った場合でも、外国政府は判決の履行を求めるために米国裁判所に提訴する必要が生じる可能性がある。これは米国がカナダ産軟材に対するダンピング防止関税及び相殺関税をめぐる紛争で敗訴した事例と同様だ」とフシシアンは続けた。「これらを総合すると、USMCAを露骨に違反する行政措置でさえ覆すのに数年を要するのは容易に想像できる」
フシシアン氏は、3カ国すべてがUSMCAを維持する正当な理由があると述べたが、「問題はどのような形態でか」と指摘し、代わりにメキシコとカナダが米国と個別に二国間協定を結ぶ可能性にも言及した。
先月2月下旬、トランプ大統領が両国に対する米国の関税が3月4日に予定通り発動されると発表した際、フシシアンは自動車メーカーが直面する不確実性をオートウィーク誌で指摘した。「現時点では、自動車業界が今後10日間のリスク計画を立てることは事実上不可能だ」