
内部調査は事業運営において比較的日常的なものとなったが、それは「事業目的」を有する場合であっても、その調査成果が証拠開示の対象となることを意味しない。米国連邦控訴裁判所第6巡回区は今月初め、証券集団訴訟における下級審の証拠提出命令の執行停止を認める判決において、この点を明確にした。
ファーストエナジー社は、オハイオ州選出議員の起訴(同社を贈賄計画に関与したとされるもの)を受けて、ジョーンズ・デイとスクワイア・パトン・ボッグスがそれぞれ主導する2件の内部調査を実施した。同社株主は、その後提起された民事訴訟における証拠開示手続きにおいて、これら2件の調査結果の開示を求めた。 地方裁判所は、ファーストエナジーが複数の政府調査、連邦規制措置、民事訴訟の文脈で調査を実施したとはいえ、同社が調査を通じて得た助言を事業目的で使用したとの理由に基づき、文書提出を命じた。
ファーストエナジー社がマンダムス令状を請求するまでの間、当該命令の執行停止を求める申し立てを審査した第六巡回区控訴裁判所は、地方裁判所の論理を退け、アップジョン判決に基づき「弁護士・依頼者特権において重要なのは、企業が法的助言をどう活用するかではなく、単に企業が法的助言を求めたか否かである」と確認した。 同裁判所は、地方裁判所が採用した「逆説的」な論理はほとんど意味をなさないとの見解を示した。なぜなら、企業が内部調査に資源を投入する際には常に何らかの事業目的が存在するからだ。しかし、企業が内部調査の一環として法的助言を求めた場合には、その目的だけでは調査を特権の保護対象から除外するには不十分である。 第六巡回区控訴裁判所はさらに、調査を促した訴訟及び規制措置を考慮すれば、調査の成果物は作業成果物として保護される可能性が高いと判断した。同裁判所によれば、「内部調査を進める中で民事・刑事調査が相次いだ状況」において、調査が訴訟を予期して行われたものではないとする地方裁判所の結論はほとんど意味をなさない。
第六巡回区控訴裁判所はまた、ファーストエナジーの執行停止請求を支持する50件の法廷助言書が提出されたことからも明らかなように、こうした調査において弁護士・依頼者特権及び作業成果物特権を維持することへの強い公益的関心が存在することを指摘した。
マンダムス申立の判決はまだ下されていないものの、第六巡回区控訴裁判所が地方裁判所を強く非難し、この文脈における特権を確固として保護したことは、適切に構想された内部調査が特権の対象であり、作業成果物特権によって保護され続けるという安心感をもたらす可能性がある。この目的のため、企業は以下の措置を講じて特権及び作業成果物特権の適用を最大限に活用すべきである:
1.社内弁護士または外部弁護士のいずれかが調査を実施すべきである。フォレンジック会計士などの第三者の関与が必要な場合、当該第三者は弁護士によって選任され、監督されるべきである。
2.明確な調査計画を策定する。会社が直面するリスク(例:係争中または脅威となる政府調査、民事訴訟など)と調査の目的を特定した初期調査計画は、調査が単なる事業目的ではなく法的根拠に基づくものであることを裏付ける根拠となり得る。
3.与える アップジョン 警告を証人尋問の開始時に与えること。警告は弁護士の尋問記録に文書化されるべきである。さらに、尋問に関するメモや覚書には、尋問の逐語的再現ではなく、弁護士の解釈、印象、思考、分析を含めること。
4.内部調査の最終成果物について検討すること。文書資料の不適切な開示(ひいては守秘特権の放棄の可能性)のリスクを考慮し、調査終了時には口頭報告を検討すること。書面報告が必要な場合は、その目的が法的助言を提供することにあることを強調し、当該報告書の配布を必要とする者に限定すること。